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"Dr.Who And The Daleks"

"Dr.Who And The Daleks"
ドリフでGo! レトロSF映画のマッタリした愉しみ。

ポスターアート
今回は文体を変えて、「ですます調」でお送りしたいと思います。

"Dr.Who And The Daleks"は、1965年に英ハマーフィルムで制作されたSF映画です。1963年よりBBCで放映が始まったSF-TV番組"Dr.Who"のヒットを受け、劇場用長編として制作公開されました。大枠の設定はTVシリーズを踏襲しているようですが、キャスティングはオリジナル。ドクターは、ハマーフィルムの看板役者の一人ピーター・カッシングが演じています。

本作は本邦でも日本語字幕付きでビデオリリースされていますが、80年代後半の話で極めて入手困難。私は中古ワゴンセールで入手はしたのですが、20年近く前に見たきり。VHSのデッキが手元に無い上、ビデオソフト類は貸し倉庫に保管してあるので、文字通りお蔵入り状態なわけです。


ダーレク
さて"Dr.Who"は2005年にBBCにリメイクされ、大変な人気を博しています。日本でも1st/2ndシーズンをNHK-BSで放映し、DVDも発売されています。目下イギリスでは3rdシーズンが放映真っ最中。そのせいか、米英では旧作"Dr.Who"もDVDリリースが盛んに行われており、本作もその恩恵に預かったような形でDVDリリースされました。

元々私が"Dr.Who"にのめりこむきっかけになったのは、この映画に登場するDaleks=ダーレク(ダレックス)のデザインに悩殺されたからです。古の「宇宙船」創刊号のSF映画メカ図解の特集ですね。

ダーレクは、日本で言うならバルタン星人に相当する人気悪役で、現在10代目を数える「ドクター・フー」のシリーズに各代最低一回は顔を出しています。(八代目はFOXの作った単発のTVシリーズなので除く)誕生から四十年を経て、ほとんどデザインの変更がなされていない、逆に言えば完成されたデザインワークは、最早アートの領分でしょう。そんなダーレクの活躍を愉しむべく"Dr.Who And The Daleks"のDVDをamazon.usでオーダーして見直してみました。英語字幕は入っていないため、理解度は20%くらいかと思いますが、ストーリー紹介と共にレビューしていきたいと思います。


ドクターは、半ば隠居生活を送る天才科学者ということになっています。二人の孫娘と暮らしており、タイムロード云々という設定はどうやらなかったことになっている模様。姉のバーバラは小学校の教師を勤め、妹のスーザンは推定7~8歳。おしゃまな女の子です。物語は、バーバラがボーイフレンドのイアンを週末の食事に招待したところから始まります。

このイアンが、顔はそこそこ二枚目なのですが、役どころとしては「宇宙刑事」シリーズの小次郎さんジャージャー・ビンクスまで行かない中途半端さ故(後述)、1990年代以降映画やTVドラマの世界から死滅したタイプのズッコケさんです。イアンは登場早々、文字通りのズッコケギャグを連発でかましてくれます。普通なら辟易とするところですが、完全な英語ヒアリング環境での試聴なので、いいアクセントになりました(w。

ここで気になったのが、イアンはドクターを"Dr.Who"と呼んでいます。孫二人は"grand-pa"で良いとしても。TVシリーズではただ"Doctor"で通していたはず(本名が明かされないから"Dr.Who"というタイトルなんですがね。。。)で、固有名詞が"Dr.Who"ってのは違和感があります。

イアンが危うく尻の下に轢きそうになった謎の機械。それは、ドクターが開発した時空航行機"TARDIS"の部品の一部でした。「時空航行機?なんスか、そりゃ?」というお約束の展開を経て、イアンとスーザンはドクターに連れられ裏庭に止めてあるターディスの現物を目にします。ターディスは見た目は警察回線専用の電話ボックス。この当時はイギリスの街中にゴロゴロしていたものです。だがドアを開けると、むき出しの配線と各種メータやランプ、レバー類が散財する12畳ほどの小部屋になっています。このあたりのガジェット感覚は、当時としてもあまり良い趣味とは言えないような気がします。

TARDIS
ターディスの中へ入って驚くイアン。そこへバーバラもやってきます。バーバラが扉を開いた拍子にズッコケたイアンがいらんレバーを押し倒しターディスは運転を開始。四人はどことも知らぬ世界へ運ばれてしまいました。到着した先は、荒涼とした森の中。地面には灰が降り積もり、樹木はすべて炭化しています。数百年前に熱核戦争があったのではないかと大胆な仮説を打ち立てるドクター。気違い科学者万能の天才科学者とは、洋の東西を問わず似た様な人種なんですね。

すぐ戻ろう、今戻ろうとビビリまくりのイアン。自分の所為でここにいる事を忘れています。一方好奇心満々のスーザンとドクターは、この場所の探検を提案。バーバラも「せっかく来たんだから」と呑気に乗り気模様。バーバラはイアンが、目下交際中の彼氏でしかも今夜のゲストである事をすっかり忘れているようです。まぁ、物語が始まって20分も経過しない間に雪崩のようにズッコケを見せ付けられたのでは無理も無いとは思いますが。

と突然現れる、大型犬ほどの怪獣。ビビリまくったイアンは逃げ出そうとして失敗し怪獣の上に倒れこみます。すると、グズグズと崩れて灰になる怪獣。どうやら怪獣もとっくの昔に炭化していたようですね。

安全が確認されたというよりは、イアンのお陰で単に危機感が薄れた一行は、炭化した森をそぞろ歩きます。そんななか、スーザンに忍び寄る人影。後ろから彼女の方に手がかかります。驚いたスーザンの魂切る絶叫に恐れをなして、何者かは森の奥に姿を消します。一方ドクター達は、森の外れに人工的な建造物を発見します。どうやら城砦都市の様相で、しかもまだ機能している気配。ドクターは本格的な探検を始めようと決意します。


一旦ターディスに戻った一行は、用心の為ターディスの部品の一部(どうやら、超科学で作られた真空管と思しきモノ)を抜き取ります。こうしておけば、何かがターディス内に侵入してもターディスを動かす事は出来ないわけです。その前に鍵をつけろよ!とか言ってはいけませんね。1965年といえばイギリスでも「三丁目の夕日」ばりにのどかな時代だったのでしょうから(w

再び謎の惑星探検に踏み出したドクター達は、ターディスの前に筆箱のような物が置いてあるのを発見します。さっきはなかったはずの物体。中身はなにやら薬のようなものでした。何者かが意図的に置いて行った事は明白です。ドクターは、この薬をターディスに置いて、先ほど発見した城塞都市に向かいます。

都市の内部には、簡単に入ることが出来ました。いかにもな内装の都市内部。がその先は人を選ぶようで、ドクターとスーザン、バーバラは導かれるように二手に分かれて自動ドアを先に進みますが、イアンだけはエントランスに取り残されます。これから数分に渡って、自動ドアを開けようとするイアンの奮戦が続きます。なんだか「ドリフの大爆笑」みたいです。まかり間違って地上波放映などされた時には、真っ先にカットされるシーンですね。

ダーレクに囚われる
イアンが志村けん張りの奮戦を続けていると、ドクターとスーザンが戻ってきます。と同時にバーバラの悲鳴が響きます。彼女は隔壁に閉じ込められてしまいました。慌てて助けに向かう三人。ですが、バーバラがどこにいるのかは分かりません。そうこうする内に三人は、コントロールセンターと思しき部屋に出ます。知的生命体がいて、この都市に住んでいるのです。我を忘れてコンソールを調べだすドクター。流石ですね。ですが、そこへこの都市の住人が現れます。ソース壜にトイレのキュッポンと泡立て器を生やしたような異形の集団、ダーレクです。イアンは抵抗を試みますが、ダーレクの電子銃に撃たれてしまいます。どう見ても炭酸ガス消火器を吹き付けられたとしか見えないんですが、イアンは全身が痺れて身動きできなくなってしまいます。ドクター達は捕らえられ、バーバラ共々幽閉されます。

この辺りのダーレクのマヌケさ銃の出力を絞ってイアンを生かしておく寛大さは、2005年からのリメイク「ドクター・フー」シリーズでは考えられない演出です。のどかな時代だったんですね、冷戦下のイギリスって。

ダーレクが言うには、この惑星スカロは数百年前に大規模な核戦争が起こったそうです。ダーレク達は、放射能汚染で弱った身体を金属製のプロテクターに包み、この都市の中だけで生活しているとの事。都市の外は不毛の世界で、放射能の影響で醜く突然変異を遂げた怪物しか生きてはいないとの事でした。スーザンにコンタクトを試み薬を置いていったのは、ダーレクの言う「醜い化け物」なのでしょうか?

ダーレクは、ドクターが隠し持っていたターディスの部品を取り上げます。そして、ターディスに置いてきた謎の薬品に興味を示します。誰かその薬を取ってくるようにダーレクは命じます。ドクター達をさっさと殺して、自分で行けば良いだろうと思いますが、ここは重要な伏線になっています。


ドクターは年のせいか胸が苦しそうです(もしかしたら、スカロの残留放射能にやられてるのかもしれませんが、そこまでのヒアリング能力を私は持ち合わせておりません)。イアンはまだ痺れが残っています。バーバラは二人の看護に必要と。残るはスーザンです。幼いスーザンは果敢にも、自らターディスに戻る意志を表明し、ダーレクの都市を後にします。

アリドン
そしてスーザンは、炭化した森の中で再び怪しい気配を感じます。必死に走るスーザン。追う人影。スーザンはターディスに逃げ込みますがターディスのドアはロックできない!(爆追っ手は易々とターディスの中に入ってきます。その人影、それはダーレクの言うとおりある意味醜い化け物でした。雪上迷彩のようなケープの下には、金髪のビートルズカットに無駄に濃いアイシャドウを入れた男の顔が。彼はサール族のアリドンと名乗ります。最初にスーザンの肩に手を置いたのも、謎の薬を置いていったのも彼でした。

スカロの核戦争で生き残ったもう一つの種族がサールでした。放射能汚染で突然変異を遂げたのは事実ですが、彼らに齎されたのは、致死量の放射線下で生き残る耐性だったのです。そして彼らは平和的な種族で、争いを好みません。だから好戦的なダーレクとは没交渉で、荒野で細々と暮らしているのでした。森でドクター達を見かけたアリドンは、ダーレクでもサールでも無い何者かがスカロの残留放射能に犯されないよう、放射能の解毒剤を贈り物として持ってきたのでした。

その後、アリドンはスーザンを送ってくれるでもなく突然の場面転換で退場。スーザンはドクター達に放射能の解毒剤を届け、みんなで飲み干します。ここにいたってやっと、ドクターの体調不良は放射能症だった事が判明しました^-^;


ドクター達の会話をモニタリングしている赤ダーレクと黒ダーレク。「赤と黒」は偉い人の象徴なんですねぇ、スタンダールの昔から。ちなみに、この映画以降のTVシリーズでも黒ダーレクがリーダー格というフォーマットは継承されていっているようです。リメイク「ドクター・フー」2ndシーズン最終回に登場した黒ダーレクがコイツだったりなんてことは無いかしらね。

赤ダーレクと黒ダーレク
黒ダーレクと赤ダーレクの密談は続きます。以下このシーン、私の英語力以上に、一音節ずつ区切るダーレク喋りがすごく聞き取りづらいので、先の展開を踏まえて推測で書きます。ドクター達とサール族が友好関係にある事を知ったダーレクは、念願だった民族浄化を一気に推し進めようと画策します。ドクター達をつかってサールに人道支援と友好条約を結ぶとみせかけて、ダーレク都市内にサールを招きいれ抹殺してしまおうという底の浅い計略です。さらに、サールの持つ放射能の解毒薬を手に入れれば、不自由なプロテクターともおさらば。惑星スカロにダーレクの単民族国家を繁栄させる事が出来るのです。

ダーレクはスーザンを牢から引き出して、サールをおびき寄せる手紙を書かせます。自分たちでは書けないからスーザンに代筆させるのはマニアの寛容な心を以て分かるのですが、紙とペンがあるっていうところは、笑いを禁じ得ません。だからお前ら何百年その格好してるんだよと(w。ダーレクにとって、とっくの昔に失われた技術のような気がしますがね、筆記というのは。

ダーレクの本懐を知ってか知らずか、スーザンは言われるままにニセの友好条約を提言する手紙を書き、ペンを隠匿します。そして牢に戻ってから、ペンを使って監視モニターを破壊します。もちろん、その事実はダーレク達には一目瞭然です。突然映像と音声が途切れるのだから。でも、ダーレクは何もしません。大人物なのか、修理が出来ないからかまでは私の英語力では分かりませんが、牢を変えるという事もしようとしないということは、大雑把大人物なんでしょうね、ダーレクの偉い人。


ダーレクに入る
そうしてドクター達は脱出の算段を練り始めます。ダーレクの都市は床に金属版がはめ込まれている。おそらくダーレクはここからプロテクターを稼動させる動力をえているのであろうと推測するドクター。昔遊園地に遭ったダットカーでしたっけ?パンタグラフ付きのゴーカートでぶつけ合う遊具。あれのテクノロジーが、ダーレクの設定の大本のアイデアだというのは、昔和訳されて発売された、本作のノベライズの後書きにも書いてありました。

ドクターは、スーザンがアリドンに貰ったケープ(絶縁体)を床に敷いて、ダーレクの動きを止めようと考えます。「異物が分かってて、そこに乗るもんかい!」と大人突っ込みをイアンは入れますが、バーバラが冴えたやり方を補完します。ダーレクが持ってきた食事(なんかドロドロのペースト状)を、カメラアイに塗りつけて視界をふさいではどうかと。作戦は決りました。ダーレクが次に食事を持ってきたときが決行のチャンスです。

ダーレクが水を持ってきた時、自動ドアにイアンのライターを噛ませてドアが閉まらないように小細工をします。調べるために部屋に入ってきたダーレクのカメラアイにペーストを擦り付けるバーバラ。暴れまわるダーレクをドクターとイアンが押さえつけながら、見事ケープの上に誘導できました。ドクターの推論通り、ダーレクは動力供給を断たれ機能を停止します。


このシーン、"I can't see anything! Help Help me!"と泣き叫ぶダーレクが情けなくてカワイイです。2005年からの新シリーズを見た人には、あのダーレクから"Help me!"なんて言葉が出てくるとは思いも寄らないでしょうね。

そしてドクターは、ダーレクの中身を捨て、嫌がるイアンをプロテクターの中に押し込みますΣ(゚∀゚||)捕虜の移送を偽装して、脱出しようという作戦です。

ダーレクの中
ここで1カットだけ、ダーレクの中身が見えます。全身像はサールのケープに包まれていて分からないようにしながら、水掻きの付いた三本指の手だけがアップになり、力なく動いて静止します。「宇宙戦争」(1958)のラストシーンのあからさまなパクリなわけです。ドクター・フーオフィシャル・ガイド3によると実は、ダーレクの中身が克明に映像化されたのは、2005年からのリメイク「ドクター・フー」第6話第13話のみで、それまではダーレクの中身は鉤爪だったり触手だったりと身体の一部だけがチラっと見せるだけというのをお約束演出として踏襲し続けたそうです。何本か輸入DVDなどで"Dr.Who"クラシックシリーズを見てみましたが、本作のダーレクの中身のシーンはかなり良く出来ている方だと言えます。

ドクターの目論見通り、一行は上手い事エレベーターまで辿り着く事ができました。が、イアンの入ったダーレクのプロテクターが開いてくれません。イアンは文字通り缶詰状態のままエレベーターに乗り込もうとしますが微妙な段差を乗り越えられず立ち往生(w そうこうする内に、歩哨のダーレクが上司に問い合わせ、捕虜の移送命令など出ていない事に気が付きます。絶体絶命。イアンは「俺を置いて先に行け!」と男気を発揮します。逡巡せずにエレベーターに乗り込む他三名。この辺の没人情なところは、リメイクシリーズでも顕著でしたが、イギリス人気質なんでしょうか?


エレベーターホールに取って返した歩哨ダーレクは、イアンの入ったダーレクに電子銃を向けます。やっぱり消火器を吹き付けているようにしか見えません。そして爆破するプロテクター。立ち上る煙が、さらにコントの消火器オチの様相を強調します。

でも、間一髪抜け出したイアンはエレベーターを使ってドクター達に追いつきます。引田天侯みたいですね。

イアンの無事を喜ぶ間も無く、ドクターはサールの一群がダーレクの都市に到着した事を知ります。罠である事をしらせないと、サールは根絶やしにされてしまいます。一方、イアンを取り逃がした事に気づいたダーレクが、エレベーターで追って来ます。イアンとドクターは、エレベーターシャフトに機械を落として、エレベーターを破壊します。哀れダーレクは墜落死してしまいます。

エレベーターに乗るにも二人かかりでないといけない(ボタンおして押さえて置く係が必要(w)難儀なダーレクをリアルに描写した直後ですから、この「トムジェリ」ノリの撃退方法はブラックです。

友好条約よりも人道支援の方がプライオリティの高いサールの人々は、手に手にザルだの桶だの持ってダーレクの城塞に入ってきます。牧歌的にも限度と言うものがあるかと思いますが、昔の映画ですから必要以上にくどく演出しています。いや、全般メイク濃い目のサール族一行はゲイパレードのように見えなくもないですから、この位の朴訥さのアピールで丁度良いのかもしれませんね。

そして、彼らはドクターたちと同じよう、メインコントロールにおびき寄せられます。

完全電化された都市機能を集中管理する部屋にこうも易々と入れる、いや、そういう重要拠点で銃をつかった虐殺を試みるダーレクの危機意識の甘さが、最早微笑ましくさえあります

脱出
さすがに変だと感じたサールのリーダーは、単身、メインコントロールに入っていきます。そして、待ち伏せしていたダーレクに取り囲まれ、集中砲火を浴びます。ダーレク、戦術的にダメダメですね。なんの為のニセ手紙だったのでしょうか。「慌てる乞食は貰いが少ない」という諺がイギリスにあるかどうか知りませんが、まさにそういう意味を理解させるための教育番組のようなシーンです。

そこに駆けつけるドクター達。「罠だ!逃げろ!」さけぶドクター。蜘蛛の子を散らすように逃げるサール族たち。ドクター達も便乗して、ダーレクの都市からの脱出に成功します。

「急を知らせてくれてありがとう。おかげで助かりました」と礼を述べるアリドン。いや、ドクターは何もしてないでしょう。むしろ脱出の為にサールを囮に使ったくらいの勢いを感じるのは、私だけでしょうか?どこまでも平和的で純朴なサール族。

どうして戦わないのかと聞くドクターに、「私たちは平和主義者ですから」と応えるサール。「それに、ダーレクはあの都市から出られないんです」と。そう、電極の床が無いところでは移動も生命維持も出来ないのがダーレクの弱点なのですよ!この頃のダーレクはそういう設定上の縛りがあったのです。だから、スーザンに解毒薬を取りに行かせるというわざわざ捕虜を逃がすような事をしたんですね、ダーレクは。その結果として、スーザンとアリドンのコンタクトが発生したと。大雑把なドラマながら、きちんと設定と伏線を結びつけて張っている良い仕事っぷりです。。。あぁ、ここまで書いてやっと素直なホメ所が出てきた


「あ、そう。そりゃしょうがないね」と淡白なドクター。まぁ接触しなければ戦争も起こり得ないわけです。ある意味究極に平和な民族対立の図式がここにあるのですね。そういうわけでドクター達は、この惑星に別れを告げ、ロンドンに戻ろうとします。が、ターディスが動きませんΣ(゚∀゚||)盗まれたり誤って作動したりしないよう、ドクターは部品を引っこ抜いてましたね?その部品はダーレクに取り上げられてましたね!!!

バーバラ、スーザン、イアンまでも、言葉もありません。観ているコッチだってそうです。こういう状態も感情移入とか共感って言ってしまって良いのでしょうか?

部品を取り戻すため、ドクターはサールを利用する事を思いつきます。「一緒にダーレクと戦ってくれ」と切り出すドクター。だからさっき、「戦いたくもないし、戦う必要もない」って聞かされたばっかりでしょう?放射能で脳をやられたんでしょうか、ドクター

この疑問を裏付けるように、ドクターの悪知恵が回ります。アリドンの彼女(っぽい女性)の腕を掴み「ならば、サールの女を人質に提供して、ターディスの部品と交換する!」オイオイな展開ですが、ここはドクターが一芝居うっているわけで、その意図は十分に伝わります。私の言うドクターの悪知恵の本質はこの後にあります。

イアンに目配せしながら「イアン、この女を連れて行け!」とドクターは命じます。流石に怒ったアリドンは、イアンを殴り倒します。それをみてニっと笑うドクター。「ほら、戦えた」。ぉぉおおっと、闘争心に目覚め沸き立つサール族。

ダーレク軍
無理矢理ではあるけれど頓知は利いており、60年代B級SFとして悪いシーンではありません。問題は、痛いトコロだけイアンに振っているドクターの奸智にあるわけです。タイトルロールとしてこの振る舞いは如何なものかと。昔の映画だからこそ、その悪辣さが目を惹く迷場面と言えましょう。

一方ダーレク達は、ドクターが残したサールの放射能解毒薬を、仲間に投与する生体実験を行っていました。どうやらこの薬はダーレクには猛毒だったようで、薬を投与されたダーレクは"Help Help"と悲痛な叫びを上げて絶命します。ダーレク首脳部は、ここであっさりとプロテクター無しの身軽な生活を諦めます。そして、「どうせプロテクター無しじゃ生きられないんだから、もっと汚染してもイイよね?」という理屈に辿り着き、(生理的嫌悪感だけを理由に)サール族を抹殺する為に、核兵器(ニュートロン爆弾)使用に踏み切ります。

そんな事は知らないドクター達は、ダーレク都市を挟撃する作戦を立案します。イアン、バーバラ、サール人の若手若干名で決死隊を編成します。決死隊が都市の裏手から侵入してコントロールを奪取させる。残ったサール族は正面から突入を企てる陽動でバックアップするというプランです。


決死隊
(もう書くの疲れてきた)決死隊はイロイロありーのでなんとか都市内部に潜り込む事に成功します。が、陽動作戦は見事に失敗。ドクターとスーザンは再びダーレクに捕らえられてしまいます。そこで、ダーレクがニュートロン爆弾がカウントダウンに入っている事を知ります。(次の遣り取り、私の英語力ではかなり怪しいので、念の為)「ターディスの部品を返してくれたら、我々はこの惑星を速やかに退去する」と全く利害の接点がない説得を試みるドクター。でも、当然撥ね付けられます。取り乱したドクターは「ニュートロン爆弾を使えばターディスが灰になってしまう。勿体無いから止めろ。止めてくれたら時空航法のノウハウ教えてやる」とまで言い出す始末。鬼ですか、ドクター。しかし、このいろんな意味で身を捨てた提案も却下されます。


刻々と進むカウントダウン。都市内部に潜入した決死隊も、哨戒ダーレクに追い詰められて絶体絶命。そのピンチを救ったのは、アリドン達でした。残されたサールは根性で正面からダーレク都市に乗り込んだのでした。合流した一行は、メインコントロールを目指します。流石に今度は守りを固めているるダーレクたち。でも、数で勝るサールたちは、ダーレクを押さえつけ銃で同士討ちさせて、突破口を切り開きます。

クライマックスの大混戦ですが、やっている事は「怪獣王ターガン」と同じようなもの。あれを実写で再現しているようで、ひたすらに可笑しいのでありました。

バーバラ達がコントロールに辿り着いた時には、カウントダウンは5を割っていました。「メインコンソールを破壊しろ」と叫ぶドクター。コンソール前に居たイアンはそれを受けて、ダーレクの注意を自分に向けます。取り囲むダーレクが一斉に銃を発射!瞬間身を伏せるイアン。消火器にしか見えない高圧電撃はコンソールを破壊します。ニュートロン爆弾のカウントも停止し、同時にダーレクの都市機能もダウンしてしまいました。動力供給を断たれたダーレクは一斉に無力化、サール族の絶滅は阻止されたのでした。

本作は一応劇場版とは言え、TVシリーズの"Dr.Who"とは全くの別物と考えたほうが良いでしょう。当然、クリストファ・エクルストンやデイビッド・テナントが演じた新生ドクターのシリーズとは、一切切り離して考えるべきでしょう。

なんせこの映画は一言で言うと「マヌケな映画」です。これを以て「ドクター・フー」とはこういうものだと思われるのは、ファンとしては正直業腹です。

クライマックス
が、ダーレクというキャラクターを捉えた場合、非常に味わい深い映画であると思います。先述のように本作は「マヌケな映画」なのですが、マヌケのベクトルが全てダーレクに向いてしまっている印象が拭えません。実際にはイアンであったりドクターであったりの「オイオイ」という描写までも、ダーレクが背負ってしまっている気がします。これは一重にダーレクのキャラが立ちまくっている結果だと思います。だから、観ていてあんまり腹が立たない。むしろダーレクのユーモラスな一面が(図らずも)強調されているように、個人的には思います。

新シリーズで見せたダーレクの悪辣さや思いメタファだけでなく、なんとも憎めない「マヌケさ」もダーレクの魅力として味わえたかなぁと。そういう意味では、観る人を物凄く選ぶ映画なわけですが、選ばれた人にとっては至高の逸品という、マニアックなジャンル普遍の論理に忠実な映画なんだと思いました。


ドクター・フー Series1 DVD-BOX
日本語版

ドクター・フー
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Doctor Who
Complete Second Series
(US版 英語字幕あり)

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カート・ヴォネガット逝く

小説家のカート・ヴォネガット氏が死去

この人の作品がなければ、今の俺は無い。とっくの昔に犯罪者になっているか自殺していただろう。間接的な大恩人の一人であるヴォネガット翁であるが、不思議と涙が湧いて来ない。

「まぁ、こんなもんだ」"and so on"(訳:浅倉久志)「チャンピオンたちの朝食」より

のフレーズにヴォネガット翁の作家性の全てが凝縮されているだろう、俺の座右の銘の一つである。

「優しいペシミズム」

一言で言ってしまうと、徹頭徹尾、そういう作風の作品を発表し続けた。第二次大戦に従軍するもドイツの捕虜になり、ドレスデンの捕虜収容所に送られる。だがドレスデン(ヨーロッパ有数の陶器の街。特にビスクドールはドレスデンドールとして収集家の人気が高い)は連合軍の無差別爆撃に遭う。

国家の為に従軍し、その国家に後ろから撃たれるような経験が、その作家性に大きな影響を与えていた。その時の経験を綴った「スローターハウス5」は映画化もされた大傑作である。

だが、そうしたトラウマを表現不能な鷹揚さに包んだ「まぁ、そんなもんだ」や「などなど」といったフレーズにたくし、なんともノホホンとした雰囲気で、レイヤーの差を問わずに、様々な人々の様々な「生きる苦悩」を優しく包み込んでくれた。

ヴォネガット翁の新しい作品が読めなくなるのは辛い。だが、その作家性は普遍であり作品は不滅だ。今まで発表された全ての作品は、「愛」において普遍なのだから、聖書以上に

ヴォネガット翁の説いた愛は諦念とも言い換えられるかもしれない。だが言うではないか、「人生諦めが肝心」と。人は諦めた時に、ちょっとだけ優しくなれるのだ。それは決して怠惰を容認するものではないのだがな。

謹んで御冥福をお祈りします。

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 米ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)によると、米作家で1960―70年代の若者をとらえた対抗文化(カウンターカルチャー)の旗手、カート・ヴォネガット氏が11日、ニューヨーク市内で死去した。84歳。関係者によると数週間前に転倒した際、脳を損傷し治療を続けていた。

 1922年、ドイツ系移民の子としてインディアナポリスで生まれた。第2次世界大戦で従軍中にドイツ軍の捕虜となり、連合国側によるドレスデン爆撃を体験。これが後に作家としての原体験となった。

 ユーモアとペシミズムが織りなす独特の語り口で、米文化の衰退や人間の存在の意味を問う作品を著した。その作品群により、ベトナム戦争に悩む若者たちにとって文学的な偶像となった。

 52年の「プレイヤー・ピアノ」で登場、ドレスデン体験に基づいた69年の「スローターハウス5」は代表作の一つ。ほかにSFの「タイタンの妖女」や「猫のゆりかご」などがある。(共同)

(2007年4月12日18時42分 スポーツ報知)
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ブラッド・ダイヤモンド

ちょっとだけ、デカプリオが好きになったよ。リアリティ溢れるバイオレンス描写てんこ盛りの社会派アクション

@新宿ミラノ座。前売り買ってたが、株主優待券が980円で流れてたよ(--)d

「ホテル・ルワンダ」、「ダーウィンの悪夢」と最近続くアフリカ問題を扱った社会派映画の、メジャー大作。ハリウッドメジャーの制作/配給なのでエンタメ色は強いものの、主人公とヒロインのラブラブな展開など一切無し。RUFの虐殺シーンや、そのダイヤモンド採掘場を傭兵団が強襲するクライマックスのリアルだがカタルシスの無い描写など、ハードな作りの良い映画であった。

主人公のブローカー、アーチャーを演じるのはレオナルド・デカプリオ。「タイタニック」のおかげでにわかセレブになった、ツラで仕事とってるだけのホスト野郎と、正直、コイツ大嫌いだったんだけど、この映画で、ちょっと好きになったよ。

デカプーの演じるアーチャーは、実に食えないダイヤモンドブローカー。その小悪党っぷりは、手塚治虫マンガの名優ハム・エッグを思わせる。

複雑怪奇なダイヤモンドカルテルのお先棒担ぎというポジションは一方で、過大なリスクに見合わない収入にあえぐビジネスマンでもあり、政変に翻弄され最下層に落とされた白人でもある。彼のしたたかさと没人情は、北半球の人間の論理を寄せ付けないタフな環境によるもので、そういう意味ではアフリカ人と同じく被搾取者の立場なのだ。

この難しい役所を、よく好演したなぁと。まぁ最後は情に落ちるのだが、それはデカプーの所為では無い。

雄大なシェラレオネの自然の俯瞰と、クローズアップされる人間の血なまぐさい営みの対比は、ベタな構成ではあるが美しい。

また脚本も良く練りこんである。大枠で「手錠のままの脱獄」ジャンルに入れられるかと。

RUFに家族を引き裂かれ、ダイヤモンド鉱山で強制労働をさせらえていた漁師ソロモン(ジャイモン・フンスー)は掘り当てた100カラット相当のピンクダイヤの原石を隠匿する。

ピンク・ダイヤを横取りしようと画策するアーチャーは、バラバラになった家族の行方を突き止める事を条件に、ソロモンの協力を仰ごうとする。そして、その手段としてブラッド・ダイヤモンドの実態を暴こうとするジャーナリストのマディー(ジェニファー・コネリー)を利用する。マディーは、RUFとダイヤモンドカルテルの関係性を暴露するため、アーチャーが必要。

それぞれの思惑を胸に、ニセプレス一行は危険地帯に飛び込んでいく。

立場と利害が全く異なる三人の人間に、ピンクダイヤは「手錠」として機能しているのだ。

この辺の設定が、エンタメとして十二分に楽しめるギミックとなっている。これに、ソロモン一家の悲劇の対面や次第に明かされるアーチャーの暗い過去が被って行き、ドラマが肉厚になっていく。そして、クライマックス前に途中退場するマディーが、実は大団円への切り札となるという、冴えた構成が見事であったかと。

いわゆる「汚れ役」なのでデカプーファンな女性からの不評はなんとなく見て取れる。また、事前情報からは、南北問題をテーマにしながらメジャー作という中途半端感を先行して持ってしまうのも事実だろう。

なにより監督があの「ラスト・サムライ」のエドワード・ズウィックってのが、一番のけん制要因なのかもしれない(w

だが、先入観にだまされてはいけないという好例となる、面白い映画だったよ。うん。

蟲師

他人のマンガ映画にする暇に、自分のマンガ描けよ!と思ったのは俺だけではないはずだ。大友克弘、三分間猛省しる(w

@MOVIXさいたま

原作もアニメも殆ど知らないので、全く期待していなかったが、結構アタリだった。

病のメタファとしての「蟲」との関わりを、淡々と描く。all国内ロケでまかなった、潤いのある自然の美しい映像と、趣味の良さが光るグロ描写の加減が、絶妙で宜しいかと。

この辺、「どろろ」の関係者は猛省すると共に、「2」創る気なら参考にするように。。。。。本業はマンガ家の撮った映画に、映像表現でもドラマでも大負けして、「どろろ」関係者一同、恥を知れと。

んで、淡幽ですか?蟲を文字に変えて巻物に封じる娘さん。あの娘が、長い鉄の菜箸で、百足のように蠢く楷書体の「蟲」を摘み上げてくシーンが、医療と魔道の中間にある蟲師の技の描写として斬新かつ説得力があってカッコイイ。菜箸操る指の皮が剥けてくあたりのリアリティと痛々しさも○。

淡幽とギンコの関係性も微妙な距離感を維持していて、それ故にホロリとさせるのであった。

鉄人28号 白昼の残月

映画の日なので、故・伊福部昭先生のフィルムコンサートに行ってきました

伊福部昭先生のフィルムコンサートを観にいったつもりだったが。。。うーん。「マーチ無くしてなんの伊福部」というBazil氏のお言葉からすると、ダメな範疇なんだろうな、コレ。

でも一応スコアは書き下ろしっぽく、映画の内容と同じく地味ではあったが、まぁ、期待外れまでは行かなかったかと。

今川「鉄人」信者の間でも賛否分かれるんだろうなぁ。TVの方との繋がりも無かった事になってるし。とにかく爽快感に欠けるの、ドラマだけでなくてね。

TV版はOPのみ登場だったモンスター(十字結社の方な)。前半戦でvs鉄人をやってくれて凄く期待してたのに、なんだよあの決着のつけ方。あれじゃ、ゾロメカにやられるドロンボーメカ(いや、それ以下か)じゃねぇか、鉄人。

村雨健二と高見沢のカップルがウザい。ウザ過ぎ。

そしていつも通りの、鉄人だろうがGRだろうがゲッターだろうが、絶対あのクライマックスに持ってく今川節は、わかっちゃいるけど辟易とするものがある。すべて同じテーマ、同じプロットならリメイクなんかしなくてイイじゃんか!!!

でも、「謎の復員兵」、「ストーリーが進むにつれ玉ねぎの皮を剥くように明らかになる、ドロドロの血縁模様」、「全く無能な名探偵」と、「それ、なんて金田一?」ってな趣きであり、歪な意味では楽しめたかも。途中から消える敷島博士が「またかよ!」と思わせつつ、「お前が金田一か!!!」 という笑劇のオチはワロタ。