本作の脚本/監督はマイケル・ドゥーティー。「スーパーマンリターンズ」の脚本やったひとなのね。なるほどどうりで。ジャンルに忠実なエンタメ職人な人だよこの人。本作は、スティーブン・キングの中期短編作品にオマージュを捧げているように見受けられる。そう一言で言うと「クリープショー」と似たテイストの映画である。
ハロウィーンの夜に起こった恐怖の出来事の数々。これをオムニバスではなく、時系列の組み換えによるザッピングで構成している。中々の構成力であり、これがまぁ色々とどんでん返しの趣向を楽しませてくれるのであった。
そういうわけで、あまり細かく内容に触れることは激しく興を削ぐことになる。だが、この手のジャンルタグを概ね網羅している事は触れておこう。つまり、殺人鬼、亡霊、いじめられっ子の復讐、闇に徘徊する怪物そしてブギーマンdearu.
だが詰め込みすぎな感は全くない、オールラウンダーなハロウィンものなのであった。
パッケージ中央にレイアウトされた、なんとも味のある怪人物がブギーマンである。不気味ではあるが「ハロウィン君」とかユルキャラな名前のほうがしっくりくる、微妙にベクトルがズレた感じが味わい深い。このブギーマンが、先述のジャンルタグ下のドラマをひっそりと見据えている。「おろち」とか「スティーブン・キングのキャッツアイ」の猫みたいに、ハロウインに浮かれる街で人知れず起こる惨劇群の傍観者の役割を与えられているのだ。が、彼が登場するのは一つの惨劇の頭と終わり。作劇構成的意味では、「ヒッチコック劇場」のアルフレッド・ヒッチコックの機能を持たされている。特に一区切りついたところで「見ていたぞ」って感じでそっと現れるシーンは、見た目がユーモラスだからこそ、ゾっとするものがある。
そして、ホラー界のニューヒーローっぽく大活躍もしてくれるのであったよ。
ブルーレイの良いところの一つに、日本とアメリカはリージョンコードが同じなので、PS3で視聴可能とということがある。USAアマゾンのソフトも、日本のアカウントで購入できるようになったし、DVDに比べると未公開映画の視聴が極めて容易になっている。幸か不幸か円は高く、この"TRICK OR TREAT"も2,000円しなかった。
映画マニアな人にはいい時代になったものだと思う。
とここまで書いて日本のアマゾン見てみたら、国内版DVDのプロモ映像がストリーミングで見れた・・・なんか、安い映画を必死にハクをつけて売ろうとしている感が(^ω^;)
アカデミー女優主演って(w 先述のような構成の映画なので、主演と言うのはブギーマンのスーツアクター以外いませんって。んでアカデミー賞女優、赤頭巾のコスプレして襲われる女の子、アンナ・パキンは「ピアノ・レッスン」の子役で受賞してるのね助演女優賞を。うそは吐いてないがなぁ。
あと日本版DVDは「ブライアン・シンガーの」って頭につくけど、これまでにロクなもんプロデュースしてないぞ、この人。
俺は全く予備知識なく米amazonでパッケージ買いした。マニアにはこういうセールストークはかえってバイアスかけるような気がするけどなぁ。
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