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ブラック・ダリア

ブラック・ダリア
巨匠デ・パルマ節は堪能できるが、所詮はハリウッドメジャー。ゆるゆるのノワール映画。

MOVIXさいたま。

ブラック・ダリア


一行で言い尽くされてしまったなぁ。エルロイの原作を3/4くらいで読み進んだところでの映画鑑賞。メジャー制作配給だから出来た映画化ではあるものの、メジャー故の束縛も多く、単なるサイコサスペンスになってしまっていたのは残念至極。

全体セピア調の画質でまとめながら、ところどころイーストマンカラーみたいなベタっとした色調に転調する画面は印象的だが、演出的には大して意味が無かったような気がする。

中盤のクライマックス。主人公バッキー(ジョス・ハートネット)の相棒リー(ブライアン・エッカート)が、謎の殺し屋にくびり殺されかけつつ、明らかに女な謎のトレンチコートの男にナイフで喉を切り裂かれ、刺客もろとも落下死する場面。バッキーは、人生の恩人でもあるパートナーのピンチに身動きも出来ない。このシーンでは、デ・パルマ節炸裂。カット割りも異常に細かく立体的で巧み。加えて、イライラするスローモーションのカットバックを合わせ、吹き抜けの階段の途上と張り出しの高低差のある位置関係での凶行シーンを盛り上げてくれる。もっと言っちゃえばヒッチコックをリスペクトして止まないデ・パルマ御大の、最高にヒッチコック的かつデ・パルマ的な素晴らしいシーンであった。

が、まぁ何とも。。。あらゆる意味で対照的なリーとバッキーの個体差が殆ど感じられなかったり、昔の警察捜査の暗黒面描写が極端に割愛されていたり、なによりバッキーの内面描写がモノログだけで片付けられて実に平坦。なので、単なる猟奇殺人事件を追う、舞台がクラシックなだけの凡庸なデカもので終わっているのだな。一人のアバズレの惨殺死体が、一人の男を壊していくというある種文学的なプロセスは全く描かれていない。まぁ、デ・パルマ監督にその種の機微を要求するのもこれまた無理なハナシなのではある。そして、エルロイの世界観を十分に引き出した映画が仮に撮られたとしたら、それは興行成績を捨てることであるし、ネタがネタだけに芸術性というアプローチも望めまい。少なくとも、公開から20年のタイムスケールではね。

というわけで、毛色の変わったサイコサスペンスとしては十分に面白いが、エルロイ節の映像化としては、まったくダメ。そういう意味では良くも悪くも、同じくエルロイ原作のL.A.暗黒史四部作の一作である『L.A.コンフィデンシャル』と大差ない。妙なトーン&マナーが取れていてそれはそれで、面白いのかもだが。

ジェイムズ・エルロイとは全く無縁な映画ではあるがエルロイの原作小説の雰囲気はむしろ、ジョエル・シューマーカー監督の『8mm』の方がよく伝えているような気がした。

冒頭のファイアVSアイス戦で執拗にバッキーのへし折られた前歯を執拗に映すシーンは原作には無い描写。はっきりいって無意味なシーンだが、原作のバッキーは出っ歯で、それがイケてるというケイ(スカーレット・ヨハンソン)の台詞が原作にはある由。老け役の為に抜歯した田中絹代の役者魂をどう思うのかと小一時間問い詰めたいと思いつつ、監督の手際の見事さに巨匠の余裕を感じてみたり。
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