目が覚めるとそこは。。。。ドクター、ローズ、キャプテン・ジャックはそれぞれ別のどこかに送り込まれていた。
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【ローズ】
訳がわからないままクイズショーの出演者として、セットに立たされる。偶然答えられる問題が続きはしゃぐローズ。だが彼女は、誤答率の高い者から順番に原子分解されていく事をまだ知らない。
【キャプテン・ジャック】
キャプテン・ジャックが目覚めると、そこはベッドの上だった。二体のメイド型アンドロイドのファッションチェックを受け全裸に剥かれ、次々と衣装を取り替える様をTV中継されるジャック。文句の多いキャプテン・ジャックのベストコーディネートとしてアンドロイドが最終的に下した結論は、首の挿げ替えだった。
【ドクター】
ワンルームマンションと思しき一室。設置されたモニターで三人の若者の生活がTV中継されているのだ。ドクターが闖入したことで定員オーバーとなったマンションから、一人の女性が立ち退きを命じられ原子分解されてしまう。
これが"BAD WOLF"社が制作/放映するTVショーである事を知ったドクターは、何かの罠を感じ取り脱出を試みる。意図的にカメラを壊し原子分解されかかるが、何故か装置は作動しない。ドクターの読み通りに。
見事マンションから抜け出したドクターは口では言えない方法で脱出したキャプテン・ジャックと落ち合い、今いる場所が、200,100世紀のサテライトファイブである事を知る。ジャグラフェスを倒した後、通信手段を失った地球は荒廃、暗黒の百年を経て、地上の地球人をランダムに拾い上げて殺人ゲームを放映する新たなサテライト5の仕組みが出来上がったというのだ。
愕然とするドクター。その歴史の流れも間違っている。時空を超えて周到な罠を仕掛け、人類の歴史に干渉するのは何者なのか?当惑しながらもローズ救助にむかったドクター達だったが、時既に遅し。ドクターたちの目の前でローズも原子分解されてしまう。
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「プリズナーNo.6」と「キューブ」と「トゥルーマン・ショー」を足して三で割ったみたいな悪夢世界。。。。偶然かとは思うが、アンドロイドに統制管理され、楽しみに人間が殺される未来の地球というアイデアは、ウルトラセブン「第四惑星の悪夢」も髣髴とさせる。
ウルトラセブンついでで言うなら、「地上最大の侵略」も思い出されたなぁ。侵略宇宙人の大攻勢の前に、仲間が拉致されてしまうというシチュエーション。そこに単身救助に向かうヒロイズム。燃えるねぇ。モロボシ・ダンは文字通り死を賭して「アマギ隊員がピンチなんだ!」と言い放つ姿が涙を誘ったわけだが、ドクターは余裕しゃくしゃくで「ローズ、助けに行くよ」ってのが、別な意味でカッコイイ。その前振りとしてのダーレクとの対話
「どくたー、オマエニハぶきモせんりゃくモなイ」
「そうさ、だから怖いんだろう?」
に、ダーレクの持つ決定的な弱点、思考の硬直性(アドリブの利かない硬い芸風)をドクターが見抜いている事が表されているのだ。。。。と思う。四十年間"Ext-ermi-nate"と連呼して、ついこの間までは階段も上れなかった、文字通り水平思考の種族がダーレクなのだ。その事実はドクター以上に視聴者の方がよく知っているわけである。御存知ネタを上手い按配に配してきた演出が冴える瞬間であった。。。と思いたい。煮え切らないのは、今回含むクリストファー・エクルストン編ラスト2エピソードはDVDでまだ観ていないから。なんか、ナニをアレするソフトの調子が悪い。
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本シリーズで"BAD WOLF"というキーワードが登場したシーンを全部回想シーンでインサートするのは親切設計の演出である。だが、"BAD WOLF"の真意はまだ解らない。だが、200世紀に渡って地球を支配した黒幕がダーレクだったというのはちょっと無理矢理感が(´∀`*)。サテライト5を統括するコントローラーがマスターという表現を用いていたので、まさか!とは思ったりしたのだがなぁ。ちなみに"Master"とは、クラシックシリーズに登場するドクターのライバルで、悪のタイムロード。
コントローラーが「五歳の時からネットワークに繋がれ」ているという設定はショッキング。生命維持ケーブルと脳に直結するケーブルでマリオネットの様に吊り下げられたまま成人し、視覚はデジタルデータのコードでしか見れないという作られた畸形っぷりが悪趣味のきわみ。こういう設定や描写がサラっと出来てしまうのは、イギリスって凄いなぁ。アメリカでもよく放映できたなぁとも驚いてみたり。
最後に、キャプテン・ジャック。その銃、どこにしまってた!!!「ドーベルマン刑事」か!いやむしろ安永航一郎のマンガだな。腹抱えて笑った。
ちなみに「ドーベルマン刑事」の第一話とはこんなハナシ。主人公の加納刑事が逮捕した凶悪犯が出所後にハイジャック事件を起こし、加納に全裸でやって来いと要求。丸腰丸裸の加納刑事に土下座をさせるという。犯人の要求通りに振舞う加納は肛門に隠した飛び出しナイフを投げつけて、武器を取り上げるのだった。
まぁ、ナイフは百歩譲って隠せるだろうが、銃はなぁ。シーズンのクライマックスでの緩急巧みな演出は評価するが、安永ノリは予想していなかった。
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