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レイヤー・ケーキ

陳腐だけど"スタイリッシュ"としか言いようが無い、ロマンノワールの佳作

混まない平日に、ユーロスペース2


レイヤー・ケーキ
コレクターズ・エディション

主人公の名無し(エンドクレジットでも"XXX"と表記されている)は、ハーバ-ド卒のインテリ。ビジネスライクに裏仕事。。。麻薬の中間ブローカー。。。に精を出し、そこそこの小金。。。。庶民レベルで夢想できる程度の遊んで暮らせる額。。。。を溜め込んだところで、組織を抜けようとするが、そうは問屋が卸さない。使える彼を、上が「はい、そうですか」と手放すわけも無い。更なる昇進をちらつかせ、ビッグボスの親友の娘。。。シャブ中のアバずれ。。。の捜索と奪還を命じられる。


更に、小利口な主人公の甘さを見透かしたがごとく、チャラいはずのコカイン取引が、首の一つや二つでは済まない大波乱へと発展していくのであった。


というのが、予告編でも紹介されている、本作のストーリーの骨子である。


主人公は、一言で言うと「シャバ蔵」。。。。タランティーノ監督の007新作『カジノロワイヤル』でNEXTボンド役に抜擢されたダニエル・クレイグ。。。。である。ITベンチャーにはゴロゴロ転がってる類の、頭は良いけれど致命的に経験不足な、が故に世の中舐めきっている若造だ。その甘さゆえに、海千山千のオッサンにうまく嵌められていくわけであるが、そこはタダでは転ばない。二転三転する状況を、文字通り首の皮一枚残して切り抜けていく。そのプロセスをもって、裏社会で生き抜く天与の才を、観るものに感じさせる。


ロマン・ノワールのお約束で、心臓にアイロンを押し当てる拷問とか、わずか20秒足らずでICU行きにするほど蹴りまくるとか、顔半分切れるほどクーラーボックスの冷凍食品に顔を叩き付けるとかいった、尾てい骨がむず痒くなるようなバイオレス描写はあるのだが、その表現が実に洗練されている。しかも、随所に挿入されるブリティッシュユーモアがこれまた秀逸。馳星周的なノワール中のノワールな崖っぷち状況が、なんとなく「憎めない」印象で展開するのも上手い演出だ。


そして、巧みなカット割りと職人芸の演出、上手なデジタルエフェクトをこれでもかと使いこなし、BGMに挿入されるUKポップスと相まって、MTV的な小気味よいテンポで、物語が進んでいくのである。


複線の張り方も絶妙。活字では難しいが映像だから可能な、時価300万ポンドの麻薬の奪還の策は、「あぁ、やられた」と心中で漏らさずにはおれないだろう。とにかく、登場人物の全てが、物語のキーパーソンであるという、実に油断のならない構成なのだ。


そして、衝撃の。。。正直、このオチが来るとは思いも及ばなかった俺の不明を恥じるばかりだが。。。ラストが訪れる。ロマンノワールやニューシネマの影響を受けていない観客には、「ありかよ、ソレ」というサプライズが訪れるだろう。"レイヤー・ケーキ"の暗喩も鮮やかに決まる、が故に遣る瀬無い、でもほどほどの鬱さ加減が味わい深い、拾い物の逸品であった。

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